更新日:2024年11月2日
家で勉強もせずにダラダラしている我が子を見るとついイライラ(怒)してしまいませんか? 小学生くらいならまだおおらかにしていられるとは思いますが、さすがに中学生にもなると。高校入試もあるし・・・、つい「勉強したら?」と言ってしまいませんか。それに対し、わが子は「うん分かった。」とはおそらくならないだろうと思います。
結論から言います。
『子どもが勉強しなくても、そのまま受け入れる。』
これだけです。
こうすれば、少なくとも親子関係がギクシャクすることはありません。
「ええっ!? 子供が勉強しなくてもほっとくの?」と思った人は最後まで読んでくださいね。
100%ではありませんが、子どもなりのペースで勉強に向き合っていく可能性は高いです。
勉強しないわが子に「勉強しなさい」と言っても無駄!?
もう一度問いますね。
勉強もせずに家でダラダラとしている我が子を見て、「勉強しなさい!」と言ったことはありませんか?
たいていは「そう言われたらヤル気が失せたわ、、」と逆ギレされて終了です。
「勉強しなさい!」と言ったところで、「うん、わかった!」とはほとんどなりません。
それでも親はついつい口にしてしまうのだと思います。
この反抗的な子どもの反応は、心理学的には『心理的リアクタンス』といわる合理的な反応なのですね。
心理学の説明では「個人が特定の自由を侵害されたときに換気される、自由回復を志向した動機的状態。」
つまり、「○○○しなさい。」「○○○してはいけません。」のような命令・指示を受けると、自分には自由があるのだと確認するために反対の行動をとる傾向があるということです。
ということで、思春期真っ只中の中学生に「勉強しなさい。」と言っても無意味なのは説明できます。
そもそも勉強のヤル気のない子に対して、ヤル気に訴えかけるような方法をとっても効果的ではないのですね。「勉強はイヤだけど仕方ないから(親に怒られないように)頑張るか・・」という精神状態で勉強しても成績は上がりません。
つまりは、「ヤル気」に頼らずに勉強しはじめるような働きかけが必要なのです。
昔、当塾の保護者が、あまりにも息子がダラダラしているからムカついて、「中間テストで合計400点以下だったらスマホは没収ね!」と約束したのだそうです。テストの結果は400点以下だったので、スマホを預かることになりました。
息子は、自分が悪いにもかかわらず、あまりにも不機嫌になり、親子関係が最悪になったと言っていました。
つまり、スマホ没収のようなペナルティ的な働きかけ(罰を与える)は、結局は良い結果を生まないのですね。
勉強しないわが子でもそのまま受け入れる
『マズローの欲求5段階説』というものがあります。
人間の欲求は5段階あり、下から順に満たされる必要があるというものです。
自分からすすんで勉強をする子どもの多くは、「目標の点数を取りたい!」「志望校に合格したい!」「ライバルに勝ちたい!」などという目標があるものです。
こうした目標は5段階の欲求の中で最上位にある『自己実現の欲求』から出ます。
そしてこの『自己実現の欲求』を満たすには、まずは『社会的欲求(所属と愛の欲求)』と『承認欲求』が満たされなければならないそうです。
つまりまず、その子の存在をまるごと認めてあげることが必要なのです。
「勉強しなさい!」とか「また点数が悪くなるよ!」などという言葉には、勉強をしない我が子を責めるような雰囲気が含まれています。いっぽう、勉強しない我が子を放置していても『社会的欲求』や『承認欲求』が満たされるようなことはないので、勉強をするようになるはずもありません。
まずは子どもとしっかり関わるのです。(支配ではありません)
まずは子どもの良さをしっかりと認めてあげることから始めることが大切です。
当塾では、保護者の方には、子どもの勉強については基本的には関わらないようにしてもらっています。勉強のことは「河原塾」にすべてお任せください、と伝えています。そして、お子さんの健全な生活習慣のサポート、勉強をしやすい家庭環境づくり、食事等の健康管理をお願いしています。
しかし親御さんの中には、どうしても我が子がすすんで勉強するように何らかのサポートをしたいという方もいらっしゃると思います。
勉強しない我が子をヤル気にさせる方法【3選】
①自分の未来のいいことを考えさせよう
②自然と勉強できる環境を作ろう(超重要!)
③考えるクセを身につけさせよう
①自分の未来のいいことを考えさせよう
多くの親が、我が子になんとか勉強させようと、「良い大学に行くと、良い会社に就職ができるよ。」というようなことを言うのですが、子どもには刺さらないのですね。
まずはもっと身近な目標を設定することからはじめます。目標がないのに勉強などするはずがありません。
目標設定をする上での大切なポイントは短期・中期・長期の目標を設定するのです。
たとえば、
短期目標(1か月後)「英語と数学のテキストを〇回終わらせる」
中期目標(6か月後)「模擬試験で英語と数学の偏差値を5上げる」
長期目標(3年後)「あこがれの高校に合格する」
普段から親子の会話を大切にして、子どもの目標を引き出してあげます。この際、親が目標を決めてはいけません。あくまで子どもに考えさせるのです。例えばサッカーが大好きだったら、「○○高校はサッカーが強いし、学習環境も良さそうだから楽しい学校生活が送れそう。」とかワクワクするような目標設定につながるような発想ができるといいですね。間違ってもそこで親が「それは無理だよ~」などといった否定的な言葉はNGです。
実現できなさそうな目標だったとしても、中期目標、短期目標で頑張ればできそうな目標に落とし込むように導くのですね。そもそも勉強に向かわせることが一番の目的なので。
②自然と勉強できる環境を作ろう
子どもの学習習慣は、ご自宅の環境で大きく左右されます。楽しく集中して学べる仕掛けづくりをお勧めします。
小中学生くらいまでは、自宅学習は個室(子ども部屋)ではなく、リビングがいいと思います。親の存在を感じられる環境なので、勉強に集中しやすいのです。
「リビング学習」のポイントは、リビングをいかに学習できる環境にするかです。
勉強する場所は、(食事をする)ダイニングテーブルとは別にすることを勧めます。
ダイニングテーブルで勉強していると、食事の準備が始まってそこに食器等が置かれ始めると気が散るし、状況によっては中断しなければなりません。
また、勉強をするとき、子どもと親にはほどよい距離感も必要で、ダイニングテーブルに親子が対面する形で座ってしまうと、子どもの一挙一動が親の目に入り、ついガミガミ言いたくなってしまいます。子どもの顔は見えなくても、勉強している雰囲気がわかるくらいの距離を保つほうが、子どもはリラックスして勉強に集中できます。
もし可能であれば、リビングの窓際の外向きに勉強テーブルを置いてください。
机は学習スペースが広くとれる横長のものがお勧めです。横長であれば勉強しやすいし、また兄弟姉妹がいる場合は並んで勉強することもできます。理想としてはオフィス用の長机です。
子どもが成長して、自分の部屋で集中して勉強したいと思うようになれば、リビング学習を強要ぜず、子ども部屋での学習を認めましょう。あるいは高校生になってもリビングのほうが勉強しやすいと思っているなら、それでOKです。当塾でも勉強はずっとリビングやっている高校生もいます。
③考えるクセを身に付けさせよう
勉強に限らず、考えるクセを身に付けさせましょう。
例えば、一緒にニュースを見て、それについて話をしたりするのです。
また、本を読むことは大切です。この手法は小学生対象に向いているとは思いますが、本を読むことが苦手だったり嫌いだったりする場合は漫画や雑誌でもOKです。子どもが興味をもつ漫画や雑誌を親も読むのです。
そして、その内容について何か質問をします。決して読解問題の訓練のような堅苦しい感じではなく「主人公の〇〇君は、友達の△△君をどうして無視するようになったんだろうね?」とかです。子どもが回答したら「そう思うのはどうして?」とさらに考えさせます。もし子どもが分からなかったとしても親は答えを教えてはいけません。
「実はお母さんもよく分からなかったんだ。分かったら教えてね」これでOKです。
親のプライドを守ることと、子どもの思考力を育てることとどちらが大事かということなのですね。あくまで、子どもが考えるように導くのです。
次回は、⑥親が子どもに、支配に近い管理をしている。です。